確定給付企業年金制度について(平成14年3月29日年発第0329008号)

一部改正(平成15年5月30日年発第0530001号)
改正個所123
   確定給付企業年金法並びにこれに基づく政令及び省令について(法令解釈)

第1 規約の承認又は基金の設立認可の基準に関する事項

  確定給付企業年金の規約の承認又は企業年金基金(以下「基金」という。)の設立認
 可の基準については、確定給付企業年金法(平成13年法律第50号。以下「法」とい
 う。)第5条第1項及び第12条第1項並びに確定給付企業年金法施行令(平成13年
 政令第424号。以下「令」という。)第4条及び第7条に規定されているところであ
 るが、次に掲げる事項については、それぞれ次のとおりとすること。

 1 加入者とすることについての「一定の資格」の内容

   確定給付企業年金は公的年金を補完し、企業の従業員の老後の所得を充実させる重
  要な役割を持つ制度であることから、制度の実施に当たっては、実施事業所の従業員
  (確定給付企業年金を実施する厚生年金適用事業所に使用される被用者年金被保険者
  等をいう。以下同じ。)の全員をその対象とすることが原則であるが、実施企業にお
  ける就業形態等の実情に応じ、一部の従業員を加入者から除外する場合にあっては、
  次のとおりとすること。

 (1)法第4条第4号中の「一定の資格」として定めることができる資格とは、次の@
   からBに掲げる資格であり、これら以外のものを「一定の資格」として定めること
   は、基本的には特定の者に不当に差別的な取扱いとなるものであること。

    @「一定の職種」
      「一定の職種」に属する従業員のみ加入者とすること。この場合において、
     「職種」とは、研究職、営業職、事務職などの労働協約又は就業規則その他こ
     れらに準ずるもの(以下「労働協約等」という。)において規定される職種を
     いい、これらの職種に属する従業員に係る給与及び退職金等の労働条件が他の
     職種に属する従業員の労働条件とは別に規定されているものであること。

    A「一定の勤続期間」、「一定の年齢」
      従業員が労働協約等に定める見習期間中又は試用期間中であるなど加入者と
     しないことに合理的な理由がある場合にあって、「一定の勤続期間」以上又は
     「一定の年齢」以上若しくは以下の従業員のみを加入者とすること。この場合
     にあっては、「一定の勤続期間」以上の従業員のみを加入者とする場合にあっ
     ては5年以上の勤続期間を有する従業員について、「一定の年齢」以上の従業
     員のみを加入者とする場合にあっては30歳以上の従業員について、「一定の
     年齢」未満の従業員のみを加入者とする場合にあっては50歳末満の従業員に
     ついては、少なくともこれを加入者とするものであること。

    B「希望する者」
      従業員のうち、「加入者となることを希望した者」のみを加入者とすること
     (この場合にあっては、加入者がその資格を喪失することを任意に選択できる
     ものではなく、かつ、将来にわたって安定的な加入者数が確保されるように制
     度設計上配慮されていること。また、令第4条第1号の規定により、加入者は
     その資格を任意に喪失することはできないこととされていること。)。

 (2)加入者とすることについて「一定の資格」を定める場合には、基本的には、

   ア 上記(1)の@及びAに掲げる場合においては、加入者とならない従業員につ
    いては、他の確定給付企業年金、厚生年金基金(加算型にあっては加算部分)、
    確定拠出年金(企業型)、適格退職年金又は退職手当制度(退職手当前払制度を
    含む。以下同じ。)が適用されていること

   イ 上記(1)のBに掲げる場合においては、加入者とならない従業員については、
    確定拠出年金(企業型)又は退職手当制度が適用されていること

   とするとともに、これらの制度において確定給付企業年金の給付に代わる相当な措
   置が請じられ、加入者とならない従業員について不当に差別的な取扱いを行うこと
   とならないようにすること。

 2 給付の額を減額する場合の取扱い

 (1)給付の額を減額する場合にあっては、次に掲げる事項について留意すること。

   @ 確定給付企業年金法施行規則(平成14年厚生労働省令第22号。以下「規則
    」という。)第5条第3号の理由で給付の額を減額する場合にあっては、確定給
    付企業年金の実施又は直近の給付水準の変更時から原則として5年が経過してい
    ること。

   A 規則第5条第4号の「やむを得ないこと」とは、合併等により給付設計の変更
    を行わなければ給付水準に大幅な格差が生じることとなるため、当該格差を是正
    する必要がある場合をいうこと(規則第12条第2号及び規則附則第5条第1項
    の「やむを得ない」も同様。)。

   B 給付設計の変更日における加入者に対して、受給権を保全するための適切な経
    過措置を講じること。経過措置を講じることが困難な場合にあっては、その旨を
    加入者に十分に説明した上で、給付の額を減額するものであること。

   C 給付設計の変更日における受給権者等(加入者である受給権者及び加入者であ
    った者をいう。以下同じ。)の給付の額は、原則として引下げの対象とすべきで
    はなく、仮に引き下げる場合でも、確定給付企業年金を存続するために真にやむ
    を得ない場合に限り行われるものであること。この場合においては次の措置を講
    じる必要があること。

    ア 事業主、加入者及び受給権者等の三者による協議の場を設けるなど受給権者
     等の意向を十分に反映させる措置を講じること。

    イ 全受給権者等に対し、事前に、給付設計の変更に関する十分な説明と意向確
     認を行っていること。

   D 加入者である受給権者等の当該受給権に係る給付の額が減額されない場合(例
    えば、老齢給付金の額の減額において、加入者が障害給付金の受給権者である場
    合であって、当該障害給付金の額が減額されないとき)にあっては、当該者は加
    入者として取り扱うものであること。

(2)次のいずれか一の場合に該当するときは、給付の額の減額として取り扱うこと。
  だし、加入者(受給権者を除く。)の給付設計の変更に際し、Bに該当する場合は、
  少なくとも5年程度は各加入者に当該変更が行われなかったとした場合の最低積立基
  準額を保証する経過措置を設けており、かつ、@及びAのいずれにも該当しないとき
  は、給付の額の減額として取り扱わないものとすること。なお、給付現価又は最低積
  立基準額の計算に用いる基礎率は、給付設計の変更前後で同一のものを用いることと
  し、給付の額の算定において、規則第28条第1項に規定する指標を用いている場合
  にあっては、当該指標の直近5年間の実績値の平均値を当該指標の見込みとして用い
  て計算するものとすること。

   @ 給付設計の変更前後の総給付現価が減少する場合

   A 一部の加入者又は受給権者等について、当該者に係る給付現価が給付設計の変
    更によって減少する場合

   B 各加入者又は各受給権者等の最低積立基準額が減少する場合


第2 資産管理運用契約等に関する規約で定める事項

  事業主(規約型企業年金を実施する厚生年金適用事業所の事業主をいう。第2及び第
 6並びに別紙1及び別紙2において同じ。)が規約で定めなければならない「資産管理
 運用契約に関する事項」(令第2条第1号)及び基金が規約で定めなければならない「
 基金資産運用契約に関する事項」(令第5条第1号)の具体的な内容は、次のとおりと
 すること。

 1 締結する契約の種類

 2 締結する契約の相手方の名称(基金資産運用契約の場合に限る。)

   (留意事項)
    事業主は、「資産管理運用契約に関する事項」とは別に、法第4条第3号におい
   て、契約の相手方(投資顧問業者を含む。)の名杯及び住所を規約で定めなければ
   ならないことが規定されている。

 3 法第65条第1項各号又は法第66条第1項若しくは第2項に規定する契約(投資
  一任契約を除く。)を締結する場合には、以下の事項

 (1)締結する契約の目的及び受益者又は保険金受取人若しくは共済金受取人

 (2)複数の相手方と契約を締結する場合には、以下の事項

   @ 契約に係る掛金の払込割合、給付費等の負担割合

   A 資産管理運用契約又は基金資産運用契約に係る信託資蓮又は保険資産若しくは
    共済資産が、各契約の相手方の間で移受管(同一機関内における移受管を含む。
    )されることに伴う、当該資産の額の変更に係る事項(当該資産の移受管を行う
    こととしている場合に限る。)

 4 事業主が上記3(2)に係る事項について、又は基金が上記2及び3(2)に係る
  事項について、規約とは別に「運用管理規程」を定めて規定する場合には、以下の事
  項

 (1)運用管理規程を定める旨

 (2)事業主においては上記3(2)に係る事項、基金においては上記2及び3(2)
   に係る事項のうち、それぞれ運用管理規程に規定する事項(この場合において、運
   用管理規程に規定する事項については、規約で定めることを要しない。)

 (3)運用管理規程の策定及び変更の手続であって、受給権保護のための意思決定過程
   の透明化の必要性に照らし、適正と認められるもの(ただし、迅速かつ効率的な業
   務執行にも配慮されたものであること。)

 5 その他契約に関する事項で規約に規定すべき事項


第3 給付の額に関する事項

 1 給付の額は、法第32条第2項において「加入者期間又は当該加入者期間における
  給与の額その他これに類するものに照らし、適正かつ合理的なもの」により算定され
  たものでなければならず、かつ、「特定の者について不当に差別的なものであっては
  ならない」と規定されているところであるが、その取扱いは次のとおりとすること。

   @ 給付の額は、加入者期間に応じて算定されるものであり、原則として、加入者
    期間が長くなるにもかかわらず給付の額が減少するものであってはならないこと。
    このため、障害給付金であっても、若年者に支給する額は年長者に支給する額に
    比して過大なものとならないこと。

   A 加入者間で給付の額に差を設ける場合にあっては、労働協約等において、特定
    の職種に属する従業員に係る給与及び退職金等の労働条件が他の職種に属する従
    業員の労働条件とは別に規定されているなど、給付の額に差を忍けることにつき
    合理的な理由があること。

   B 制度の目的が老後の安定的所得の保障であることに鑑み、退職事由や退職時の
    年齢等により給付の額に格差を設ける場合においても、給付の額の格差が過大で
    あること、早期に脱退した者の給付の額の方が有利であることなど、制度の目的
    を逸脱するものであってはならないこと。

   C 法第32条第2項の「その他これに類するもの」は、ポイント制を採用してい
    る場合におけるポイントをいい、当該ポイントは次に掲げる要件を満たしている
    こと。

    ア 昇格の規定が労働協約等において明確に定められていること。

    イ 同一の加入者期間を有する加入者について、最大ポイントの最小ポイントに
     対する割合に過大な格差がないこと。

    ウ ポイントは恣意的に決められるものでなく、数理計算が可能であること。

  一時金として支給する老齢給付金の額及び法第41条第2項第2号に係る脱退一時
  金の額は、令第23条第1項第1号及び第2号の規定により、全部を年金として支給
  するとした場合の老齢給付金のうち、保証期間について支給する給付の下限予定利率
  を用いて計算した場合の現価相当額を上回らないものとされている。これらの規定の
  適用については、確定給付企業年金において定めた保証期間分に係る一時金への換算
  の基礎となる予定利率が下限予定利率以上の率(例えば、財政運営上の予定利率)で
  ある場合にあっては当該基準は満たされるものであること。

 3 規則第29条第1項第2号に「その他の客観的な指標であって、合理的に予測する
  ことが可能なもの」とあるが、例えば、次に掲げるものはこれに該当するものである
  こと。

  @ 総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数

  A 厚生労働省において作成する年平均の貸金指数

  規則第30条第4号の老齢給付金について一時金を選択することができる「その他
  前各号に準ずる事情」とは、受給権者の属する世帯の生計を主として維持する者が、
  やむを得ない理由によりその債務を弁済することが困難であること又は心身に重大な
  障害を受け若しくは長期間入院したことであること。

  令第34条第2号の規定により、加入者等がその責めに帰すべき重大な理由によっ
  て実施事業所に使用されなくなった場合に給付の一部又は全部を制限することができ
  ることとされているが、この場合においては、給付の支給の制限に該当する事由を規
  則第31条各号に定める範囲で規約に明記し、事業主などの恣意的な裁量により不当
  に給付の制限が行われるようなことのないようにする必要があること。

  令第34条第2号の規則第31条各号に掲げる理由によって「実施事業所に使用さ
  れなくなった場合」とは、就業規則等の規定による懲戒免職に限り、就業規則等の規
  定に基づかない事業主による恣意的な解雇は当たらないこと。また、規則第32条の
  「その他これに準ずる場合」とは、当該加入者又は加入者であった者が規則第31条
  各号の事由に該当し、かつ、当該者がいわゆる諭旨解雇により実施事業所に使用され
  なくなった場合に限るものであること。


第4 掛金の額に関する事項

 1 加入者が負担する掛金に関する取扱い

 (1)加入者が掛金を負担することについての同意は、規則第37条の規定により、加
   入者が掛金を負担することとなるとき及び規約の変更に伴い加入者が負担する掛金
   の額が増加するときに得ることとなっているが、この同意は、当該負担することと
   なる者又は負担額が増加する者について、当該掛金に係る規約の施行日までに得な
   ければならないこと。

 (2)令第35条第4号の「掛金の額が減少する」及び規則第37条の「掛金の額が増
   加する」とは、規約の変更によって、変更後に加入者が負担することとなる掛金の
   額が変更前に加入者が負担していた掛金の額に比べて減少又は増加することをいい、
   掛金全体に占める加入者が負担する掛金の額の割合が減少又は増加する場合を指す
   ものではないこと。

 (3)加入者がその選択により掛金を負担しない場合においては、掛金を負担しない加
   入者の給付の額は、掛金を負担する加入者に比べて、当該掛金の拠出額に相当する
   程度の差を設けるものであること。

 2 予定利率の下限の設定の考え方

   規則第43条第2項第1号の国債の利回りを勘案して厚生労働大臣が定める率(下
  限予定利率)は、直近5年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均又は直近
  1年間に発行された10年国債の応募者利回りの平均のいずれか低い率を基準として
  設定されたものであること。

 3 積立金の額の評価の方法について
   規則第48条第1項第2号の「過去の一定期間」は、5年以内の期間とすること。


第5 積立金の積立てに関する事項

  最低積立基準額の算定においては、当該額が確定給付企業年金が終了した場合におけ
 る残余財蓮の分配額の算定基磋となることを踏まえて、次の点に留意すること。

 (1)令第37条第1号の「当該年金給付」の取扱いは、次のとおりとすること。

   @ あらかじめ給付の額が増加又は減少することとなっている場合にあっては、当
    該増加又は減少を織り込むこと。

   A 支給停止中の給付については、停止終了後に支給されることが確実な場合にあ
    っては、当該給付を計算に織り込むこと(例えば、障害給付金が支給されている
    ために老齢給付金が支給停止となっている場合であって、当該障害給付金の支給
    期間が終了した場合に老齢給付金が支給されることとなっているときは、当該老
    齢給付金を織り込むこと。)。

 (2)規則第54条第1項の「これらに準ずる方法」とは、同項第1号及び第2号の方
   法を組み合わせた方法をいうこと。

 (3)規則第54条第1項第2号の「加入者の年齢に応じて定めた率」は、基本的に、
   一定率又は支給開始時までの期間に応じて定める率であるが、この場合において、
   加入者の年齢を増すごとに減少するものではないこと。

 (4)確定給付企業年金が複数の給付から成っている場合にあっては、各給付ごとに最
   低積立基準額を計算するものであること。

第6 積立金の運用に関する事項
 1 運用の基本方針について
   令第45条第1項において、事業主(規則第82条に規定する要件に該当する規約
  型企業年金を実施するものを除く。1及び2並びに別紙1及び別紙2において同じ。
  )及び基金(以下「事業主等」という。)は、積立金の運用に関して、運用の目的そ
  の他厚生労働省令(規則第83条第1項及び第2項)で定める事項を記載した基本方
  針(以下「運用の基本方針」という。)を作成しなければならないこととされている
  が、運用の基本方針に記載すべき具体的な内容は、運用の基本方針の策定指針(別紙
  1)のとおりとすること。

 2 運用指針について
   令第45条第3項において、事業主等は、運用受託機関に対して、協義に基づき運
  用の基本方針の趣旨に沿って運用すべきことを示さねばならないことが規定されてお
  り、その方法としては、規則第83条第4項におい七、運用の基本方針と整合的な運
  用指針(以下「運用指針」という。)を作成し、これを交付しなければならないこと
  とされているが、運用指針に記載すべき具体的な内容は、運用指針の策定指針(別紙
  2)のとおりとすること。

 3 政策的資産構成割合について

 (1)事業主又は基金が長期にわたり維持すべき資産の構成割合(以下「政策的資産構
   成割合」という。)の策定における規則第84条第1項1号で規定する「適切な方
   法」とは、ALM分析(資産と負債のバランスが保てるように将来推計をするシミ
   ュレーションのこと。)等による将来にわたる資産側及び負債側の変動予測を踏ま
   え、許容できるリスクの範囲内で必要なリターンを得るような資産構成を求める手
   法等の合理的な方法をいうものであること。

 (2)規則第84条第1項第2号における政策的資産構成割合の決定に関する「専門的
   知識及び経験を有する者」とは、当該規約型企業年金又は当該基金等の政策的資産
   構成割合の決定に従事若しくは関与していた者又はこれらの者と同等の専門的知識
   及び経験を有する者であること。

 4 基金における積立金の自家運用について

 (1)令第42条第1項第3号の「第2号業務を的確に遂行することができる専門的知
   識及び経験を有する者があること」とは、運用業務を的確に行うために日々の時価
   による資産額を把握できる体制の他、有価証券の売買発注、リスク管理、コンプラ
   イアンス(法令等の遵守)等が適切に行われる内部体制を整備するとともに、次に
   掲げる@からBまでの運用方法で運用する場合においては、@からBまでに規定す
   る当該運用方法に応じた要件を満たすものであること。

   @ 令第44条第2号イに規定する有価証券の売買又は貸付けにより運用する場合
    においては、次に定めるア又はイのいずれかの要件を満たすこと。

    ア 基金の運用する方法の種類に応じて、それぞれ次に該当する証券分析、運用
     方針の決定又は大口取引業務に従事した経験が3年以上ある者(以下「ファン
     ドマネージャー」という。)を配置すること。

     a 円貨建資産(新株予約権付社債(商法等の一部を改正する法律(平成13
      年法律第128号)による改正前の商法の規定による転換社債又は新株引受
      権付社債を含む。以下同じ。)及び株式を除く。)の運用を行う場合におい
      て、国内普通債券のファンドマネージャー

     b 新株予約権付社債の運用を行う場合において、新株予約権付社債のファン
      ドマネージャー又は国内普通債券及び株式のファンドマネージャー

     c 外貨建資産(新株予約権付社債を除き、先物外国為替及び通貨オプション
      を含む。)の運用を行う場合において、外貨建債券のファンドマネージャー

     d 外貨建新株予約権付社債の運用を行う場合において、外貨建新株予約権付
      社債のファンドマネージャー又は外貨建債券及び外貨建株式のファンドマネ
      ージャー

    イ 基金資産のポートフォリオの管理及び分析業務に従事した経験が3年以上あ
     る者(以下「資産管理職員」という。)又は当該運用資産以外の資産に係るフ
     ァンドマネージャーを配置すること。この場合においては、上記アのaからd
     までに掲げる運用方法について、投資顧問契約を締結し、投資判断の助言を受
     けること。

   A 株式又は株価指数先物、株価指数オプションにより運用する場合においては、
    資産管理職員又は株式若しくは株式以外の資産に係るファンドマネージャーを配
    置するとともに、規則第80条第2項第2号に規定するシステムを構築すること。

   B 先物又はオプションによりポートフォリオ・オーバーレイを行う場合において
    は、上記@又はAの要件を満たすとともに、基金全体の資産を管理する責任者の
    職員を配置すること。

 (2)株式インデックス運用について

    令第44条第2号へ(2)に規定する運用方法は、株式インデックス運用による
   トラッキングエラー(各月の帝離率(当該株式の運用による収益率と採用した株価
   指数の変化率の差)と当該乖離率の年間平均(株式の運用期間が12月に満たない
   場合には当該運用期間の平均)との差の二乗の年間平均の平方根に12の平方根を
   乗じて得た数)が1.0パーセント未満とすることを目標として運用するものであ
   ること。


第7 物納にかかる有価証券の価額の算定

 1 有価証券の区分及び時価評価金額

   物納に係る有価証券の価額の算定は、令第87条第1項の厚生労働大臣が指定する
  日(以下「評価基準日」という。)において、金融商品に係る会計基準及び日本公認
  会計士協会企表の「金融商品に関する実務指針」に準拠して時価評価するものである。
   令第87条第1項第1号から第3号までに規定する有価証券の区分及び算定に当た
  っては、それぞれ次のことに留意すること。

 (1)令第87条第1項第1号に規定する「その売買が主として証券取引所において行
   われている有価証券」であるかどうかは、その有価証券の売買取引が証券取引所に
   おいて最も活発に行われているかどうかにより判定すること。

 (2)同条第1項第3号に規定する「その企表する価格がその有価証券の売買の価格の
   決定に重要な影響を与えている場合」とは、有価証券の売買の媒介、取次ぎ若しく
   は代理の受託をする業者又は自己が買手若しくは売手となって店頭で金融資産の売
   買を成立させる業者(以下「ブローカー」という。)の公表する価格又は取引シス
   テムその他の市場において成立した価格が、第三者間で恣意性のない取引を行うと
   想定した場合の取引価格(以下「公正評価額」という。)として一般的に認められ
   ている状態にあることをいう。
    したがって、単に売買実例があることのみでは、これに該当しないこと。

 (3)同条第1項第1号又は第3号の同一の区分に属する同一銘柄の有価証券について、
   当該各号に規定する価格が2以上の市場に存する場合には、当該取引が最も活発に
   行われている市場の価格をもって時価評価金額とすること。

 (4)その市場における当該有価証券の実際の売買事例が極めて少なく、その公表され
   た価格が実勢を反映した公正評価額と認められない場合の当該有価証券の価格につ
   いては、当該価格はないものとして取り扱うこと。

 2 取引所売買有価証券の気配相場

   令第87条第1項第1号に規定する「取引所売買有価証券」の同号に規定する「最
  終の気配相場の価格」は、評価基準日における最終の売り気配と買い気配の仲値とす
  ること。ただし、当該売り気配又は買い気配のいずれか一方のみが公表されている場
  合には、当該公表されている最終の売り気配又は買い気配とすること。

 3 店頭売買有価証券の時価評価金額

   令第87条第1項第2号に規定する「店頭売買有価証券」の価格は、証券取引法第
  79条の3の規定により証券業協会が企表する評価基準日における「最終の売買の価
  格」とすること。
   「最終の売買の価格」の公表がない場合には、評価基準日における「最終の気配相
  場の価格」とする。
   さらに、「最終の気配相場の価格」がない場合においては、株券については、公表
  基準価格(これらの有価証券の売買の実績等に基づいて証券業協会が公表する基準価
  格をいう。)を評価基準日における「最終の気配相場の価格」とすること。
   なお、気配相場に係る価格の取扱いは、2の取引所売買有価証券の気配相場を準用
  する。

 4 公表する価格

   令第87条第1項第3号に規定する「当該その他価格公表有価証券の最終の売買の
  価格」又は「最終の気配相場の価格」とは、同号に規定する価格公表者により、評価
  基準日における価格として公表される次に掲げる価格をいうこと。

 (1)公正評価額を提供するため複数の店頭市場の情報を集計し、提供することを目的
   として組織化された業界団体が公表した最終の売買の価格又は最終の気配相場の価
   格(公社債については、評価基準日の気配値に基づいて証券業協会が公表する公社
   債店頭売買参考統計値を含む。)

 (2)金融機関又は証券会社間の市場や電子媒体取引市場のように、随時売買又は換金
   を行うことができる取引システムにおいて成立する最終の売買の価格又は最終の気
   配相場の価格。

 (3)ブローカーによって継続的に提示されている公正評価額の最終の売買の価格又は
   最終の気配相場の価格(国内債券については、当該ブローカーが公正評価額として
   提示する合理的な方法により計算した価格を含む。)
    なお、気配相場に係る価格の取扱いは、2の取引所売買有価証券の気配相場を準
   用する。


第8 その他の事項

 1 確定給付企業年金の業務委託の相手先が倒産等をした場合には、確定給付企業年金
  の事業の実施に重大な支障を及ぼし、給付の支給も滞る事態も想定されることから、
  事業主等は、委託先の選定に当たっては、令第66条の趣旨に則り、格付機関による
  格付けや財務状況等の客観的な資料を参考にするなど、慎重な検討を行うとともに、
  加入者及び受給権者等の利益を第一に考慮し、公正に行う必要があること。さらに、
  常に委託先の経営状況等(格付機関による格付けや財務状況を含む。)を観察し、確
  定給付企業年金の事業が円滑に行われるよう努める必要があること。

 2 将来期間について、加入者の存在しない規約型企業年金を実施できる場合としては、
  例えば、将来に向かっては確定拠出年金(企業型)又は退職手当制度を実施する場合
  及び法附則第25条第1項の規定に基づき適格退職年金に係る権利義務を承継する場
  合であること。

 3 確定給付企業年金の事業の運営は、事業主と加入者が労使合意の下に民主的に行う
  べきものであり、加入者も自らの受給権の保護を図るために代義員会等の場において
  積極的に確定給付企業年金の事業の運営に参画することが求められること。また、業
  務枕況の加入者への周知は、かかる加入者の参画を促し、健全な運営を担保する目的
  を持つものであることから、周知に当たっては、分かりやすく、かつ正確な情報の提
  供に努めるとともに、加入者全員に確実に周知が行われる方法を選択すること。さら
  に、受給権者や受給待期脱退者についても、可能な限り、加入者と同様の措置を講ず
  るよう努める必要があること。

(別紙1)

   運用の基本方針の策定指針

1 運用の目的

(規定すべき内容)
  年金資産の運用目的(確定給付企業年金の加入者に対する年金たる給付及び一時金た
 る給付の支払いの必要性を満たすため等)を規定するとともに、その具体化のための方
 針について規定する。

(留意事項)
  年金資金は、一般的には長期運用を行っていくことが基本である。ただし、規約型企
 業年金又は基金の成熟度や母体企業の状況等に応じて、長期運用との整合性に配慮しな
 がら、中期的な下振れリスクなどに留意することが必要である。

2 運用目標

(規定すべき内容)
 (1)運用の目的を達成するための具体的な収益目標を定める。
 (2)期待収益率についてもここで記載することができる。

(留意事項)
  短期的な運用目標を定めることは適当ではなく、下記3で定める資産構成から期待さ
 れる収益と整合性のあるものでなければならない。

3 資産構成に関する事項

(規定すべき内容)
  事業主等が長期にわたり維持すべき資産の構成割合(以下「政策的資産樺成割合」と
 いう。)又は資産構成についての方針について規定するものである。
  なお、自家運用を行う基金又は株式で掛金を納付する事業主若しくは株式による掛金
 の納付を受ける基金は、適切な資産の管理運用を行うために政策的資蓮構成割合を定め
 る。

(留意事項)
  政策的資産構成割合の策定は、リスク管理上で最も重要であるので、策定が義務づけ
 られていない事業主等においても、策定することが望ましい。

4 運用に当たっての留意事項

 (1)リスク管理について、以下の事項を規定することが望ましい。

   @リスク管理の基本的な考え方を規定する。

   (留意事項)
    リスク・リターン等の特性が異なる襟数の資産クラスに分散投資することが、資
   産運用におけるリスク管理の基本である。また、将来にわたる資産側及び負債側の
   変動予測を踏まえ、資産と負債を総合的に管理することが重要である。

   A具体的なリスク管理の方法を規定する。

   (例)ポートフオリオ管理の適切な実施

     ア 資産全体のリスク管理に関する事項

     (例)適切な方法により政策的資産構成割合を策定する。また、同時にリバラ
      ンス(再調整)のルールを定め適切にリバランスを行う。

     イ 各資産クラスごとのリスク管理に関する事項

     (例)投資対象とする資産や格付を明確化すること、流動性、発行条件、発行
      体等についての調査・分析を踏まえて投資対象とする銘柄を選択すること、
      発行体等の分散化を図ること等により、価格変動リスク、信用リスク、流動
      性リスク等を管理する。

     ウ 運用受託機関ごとのリスク管理に関する事項

     (例)運用指針及びベンチマークを示し、トラッキングエラー又はアクティブ
      リスク等の管理や、運用指針の遵守状況の確認等により、運用受託機関を適
      切に管理する。

    (注)主なリスクの種類

      @ 市場関連リスク

         価格変動リスク−株価、金利、為替等の資産価格の変動によるリスク

         信用リスク−債券、株式等の発行体の経営破綻等により、返済や受け
               渡し等が実行されなくなるリスク

         流動性リスク−資産の流動性が低いために売却時に価格が低下したり、
                売却そのものが困難になるリスク

      A オペレーショナル・リスク−事務上のミスや管理システムの障害による
                     リスク

      B コンプライアンス・リスク−関連法規違反や内部不正によるリスク
      C 負債サイドのリスク−予定外の債務の変動や運用収益の不足により、積
                  立水準に不足するリスク、給付に必要なキャッシ
                  ュの確保に係るリスク

   Bその他、キャッシュフローの確保等、必要な事項について規定する。

 (2)運用受託機関の選任、運用業務に関する報告の内容及び方法、運用受託機関の評
   価

  (規定すべき内容)
   @運用受託機関の選任に当たっての基準や考え方を規定する。

   A運用業務に関する報告の内容及び方法に関して、運用受託機関にどのような頻度、
    形式(ミーティングあるいは文書等)、方法で報告を求めるかを定める。

   B運用受託機関の評価に関して、運用受託機関の投資哲学、運用体制、運用実績等
    に関する評価方法について規定する。

  (留意事項)
     運用受託機関を選任するにあたっては、運用受託機関に支払う運用報酬等運用
    に要する費用については、運用スタイルや市場実勢の報酬水準等に照らして合理
    的に判断するものとする。

 (3)運用業務に関し遵守すべき事項

  (規定すべき内容)
    運用業務に関し遵守すべき事項として、運用に当たって、事業主又は基金の理事
   及び運用受託機関が法令で求められる行為準則に関する事項の他に、事業主等とし
   て定めた遵守事項や禁止事項を規定する。一般的な事項と個別の取引類型に関する
   ものとに分けて規定することができる。

 (4)その他の事項

  (規定すべき内容)
   @株式で掛金を納付する事業主又は株式による掛金の納付を受ける基金においては、
    納付した株式又は納付された株式の利用方法(例:給付費に充てるためのキャッ
    シュ化ファンドとして利用する)及び制約事項(例:独立した株式ファンドとし
    て管理する)等を規定する。

  (規定することが望ましい事項)
   Aデリバティブを利用する場合は、その利用方法、利用範囲についての制限を規定
    する。

   (例)運用の健全性に配意し、投機的取引を行わないこと。

   B運用費用に関する事項について規定する。

   (例)運用受託機関が最良執行に努め、総取引コストが最小になるよう売買執行を
     行うものとする。

  (留意事項)
  資産規模、成熟度、母体企業の状況等規約型企業年金又は基金の状況に応じて必要な
 事項を定めるべきである。

5 自家運用に関する事項

(規定すべき内容)
  自家運用を行う基金は、年金資産の運用における自家運用の役割と位置付け(委託運
 用を含めた基金全体の運用の中で自家運用が担うべき役割等)、管理運用の体制、運用
 対象及び運用実績の評価方法等を規定する。

(留意事項)
  運用対象の種類に応じて必要な事項を定めるべきである。なお、株式インデックス運
 用については、対象となる株価指数、運用方法(完全法、層化抽出法、最適化法等)及
 び目標トラッキングエラー等を記載すべきである。
  管理運用の体制については、法令で求められる体制の他に、有価証券の発注、リスク
 管理、コンプライアンス(法令等の遵守)等を含めた内部管理体制を整備し、記載する
 ことが望ましい。

6 その他運用業務に関し必要な事項

(規定すべき内容)
  上記事項の他、事業主等の判断により運用の基本方針に記載すべき事項とされた事項
 を規定する。
  特に、積立金の運用に関する事項の他、適切な資産管理の業務を行うため、資産管理
 機関の選任・評価に関する事項、資産管理機関が法令で求められる行為準則に関する事
 項並びに資産管理業務に関する報告の内容及び方法に関する事項等資産管理に関する事
 項を記載することが望ましい。

(別紙2)

   運用指針の策定指針

1 資産構成に関する事項

(規定すべき内容)
  事業主等が長期にわたり維持すべき資産の構成割合(以下「政策的資産構成割合」と
 いう。)を前提として各運用受託機関が遵守すべき資産構成割合の基準及び許容幅、又
 は資産構成についての方針について規定する。
  なお、自家運用を行う基金又は株式で掛金を納付する事業主若しくは株式による掛金
 の納付を受ける基金は、政策的資産構成割合を前提に、各運用受託機関が遵守すべき資
 産構成割合及び許容幅を規定しなければならない。

(留意事項)
  生命保険会社の第一特約のうち総合口については、生命保険会社が自らの運用方針に
 基づいて資産構成を策定した商品であることから、契約の締結に当たっては、その商品
 の特性が事業主等の運用指針に適合するものであるかどうかについて、事業主等と運用
 受託機関の双方が確認する必要があること。

2 運用手法に関する事項

(規定すべき内容)
 (1)運用に関して、パッシブ運用(市場平均の収益を目指す運用)又はアクティブ運
   用(市場平均を上回る収益を目指す運用)などの運用手法を規定する。

 (2)各資産ごとの市場ベンチマーク(市場動向の指標)についてもここで記載する。

(留意事項)
  パッシブ運用の指示をする場合には、当該運用受託機関のベンチマークとの連動性を
 確保する能力を十分評価した上で行うこと。また、アクティブ運用の指示をする場合に
 は、当該運用方法がベンチマークに対する超過収益を獲得する合理性を有しているかを
 十分確認の上、当該運用手法を用いることによるポートフォリオ全体のリスク・リター
 ン特性への影響、当該運用受託機関の超過収益獲得の能力等を評価し、指示すること。

3 運用業務に関する報告の内容及び方法に関する事項

(規定すべき内容)
  運用に関して、各運用受託機関ごとにどのような頻度、形式(ミーティングあるいは
 文書等)、方法で報告を求めるかを規定する。

4 運用受託機関の評価に関する事項

(規定すべき内容)
  各運用受託機関の投資哲学、運用体制、運用実績等に関する評価方法について規定す
 る。

(留意事項)
  運用受託機関を一律に評価することは適切ではなく、各資直別又はスタイル別にベン
 チマーク又はスタイル・ベンチマークなどとの対比において比較評価する方法等を規定
 することが必要である。

5 運用業務に関し遵守すべき事項

(規定すべき事項)
  運用に当たって、各運用受託機関が遵守すべき事項(法令で求められる行為準則に関
 する事項など)や禁止事項を規定するものである。
  なお、株式で掛金を納付する事業主又は株式による掛金の納付を受ける基金において
 は、納付した株式又は納付された株式に係る運用を委託する運用受託機関に対し、当該
 株式の利用方法(例:給付費に充てるためのキャッシュ化ファンドとして利用する)や
 制約事項(例:独立した株式ファンドとして管理する)等を規定しなければならない。

(留意事項)
  各運用受託機関に提示した資蓮構成、運用手法等に応じて、投資適格資産、売買遵守
 事項、デリバティブの利用法等必要な事項を規定する。

6 その他運用業務に関し必要な事項

(規定すべき事項)
  上記事項の他、事業主等の判断により運用指針に記載すべき事項とされた事項を規定
 する。
  特に、運用の委託をする運用受託機関に提示する運用指針の他に、資産管理の委託を
 する資産管理機関についても適切な資産管理を行うため、資産管理機関の評価に関する
 事項、資産管理機関が法令で求められる行為準則に関する事項並びに資産管理業務に関
 する報告の内容及び方法に関する事項等について指針を提示することが望ましい。