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厚生年金基金の運営の弾力化について
          厚生年金基金の運営の弾力化について

  《趣旨》
    近年わが国の経済・金融環境は大きく変動しており、それに伴い厚
   生年金基金をめぐる状況は、運用利回りの著しい低下や母体企業の業
   績悪化など、かつてないほど厳しいものとなっている。
    こうした状況を踏まえ、厚生年金基金において、中長期的な観点か
   ら弾力的な財政運営が可能となるようにするとともに、将来的にも給
   付設計の見直しなどの選択が柔軟に行えるよう必要な措置を講じるも
   のとする。

  1.財政基準について

    基金において短期的な運用実績の変動だけでなく、中長期的な観点
   に立って、より弾力的な財政運営が行えるようにするために、財政基
   準(継続基準、非継続基準)の見直しを行う。

   (1)継続基準の見直し
     ○継続基準に基づき、基金が掛金率を見直す際の基準額(許容繰
      越不足額)について弾力化を行う。

   (2)非継続基準の見直し
     ○非継続基準に基づき、基金が策定する「回復計画」に関する基
      準について弾力化を行う。

      @回復計画の該当要件の弾力化
       (過去3年間の実績を勘案するものとする)
      A資産評価方法の見直し
       (数理的評価を導入する)
      B計画内容の弾力化
       (回復期間を弾力化する)

     ○また、「回復計画」において用いる数値として、@最低責任準
      備金の将来利率の下限を3.22%(見込み)に、A最低積立基準
      額の将来利率の上限を3.5%に改定する。

  2.給付設計等について

    基金において、将来的に給付設計の見直しや解散などの選択が柔軟
   に行えるようにするために、基準等の見直しを行う。

   (1)上乗せ給付基準の見直し
     ○基金の「上乗せ部分」について給付設計の弾力化を図るため、
      給付水準に関する下限を、代行部分の「3割」から「1割」に
      引き下げる(基金が解散する場合には、こうした給付水準に関
      する基準は適用しない。)。
      これに伴い、給付水準の基本的な見直しを行うケースについて
      は、平成12年度末の財政再計算等の結果の適用年度について
      経過措置を講ずるものとする。

   (2)「キャッシュバランス・プラン」の導入
     ○基金をはじめとする確定給付型の企業年金において、いわゆる
     「キャッシュバランス・プラン」の導入を認める。

   (3)選択一時金基準の見直し
     ○選択一時金に関する基準について、「年金給付現価相当額の
      90%」を上限とする規制を撤廃する。

   (4)解散時等の一括徴収の取り扱い
     ○基金が解散する際の積立不足の一括徴収については、平成13
      年度以降も、当分の間「最低責任準備金以上、最低積立基準額
      以下で規約で定める額」からの不足分を対象とするものととす
      る。





(参考)具体的な措置の概要
現     行 改  正  後
T.財政基準に関する事項
 1.継続基準の見直し
  • 継続基準に基づく財政検証において、掛金の見直しを留保できる基準(許容繰越不足金)は、以下のとおり。
     ・標準給与総額×5/1000
       ×20年確定年金現価率×調整率



  • 許容繰越不足金は、以下のうちから基金が選択。
    ア.標準給与総額×10/1000
       ×20年確定年金現価率×調整率
    イ.資産額の一定割合
      (15%を上限として基金が定める割合)
    ウ.ア、イのいずれか低い額
 2.非継続基準の見直し

(1)回復計画の該当要件
  • 非継続基準に基づく財政検証において、積立水準(準資産額の最低積立基準額に対する割合)が90%未満の場合、掛金見直しを内容とする回復計画を作成。




  • 原則は現行どおり。
  • ただし、財政検証時の積立水準が80%以上であって、過去3年間のうち2年以上積立水準が90%以上の場合は、回復計画を作成しないことも可。
(2)回復計画における資産評価方法
  • 回復計画の作成に際しては、財政検証時の純資産額(時価)を基礎に将来の純資産額を予測。


  • 回復計画の作成に際しては、財政検証時の純資産額(時価)又は数理的評価(時価の短期的変動をならしたもの)による資産額を基礎に将来の純資産額を予測。
(3)回復計画の期間
  • 回復計画においては、7年以内に積立不足を解消できるように作成。


  • 回復計画は、以下のうちから基金が選択。
    ア.7年以内に積立不足を解消(現行どおり)
    イ.積立不足のうち、80%未満の部分を5年以内、80%以上90%未満の部分を10年以内に償却。
(4)回復計画における数値
  • 回復計画において、最低責任準備金の将来予測に用いる利率の下限は、3.62%(平成13年以降)。
  • 回復計画において、最低積立基準額の将来予測に用いる利率は、財政検証で用いた利率(20年国債の5年平均で、平成12年度は3.0%)を上回らない範囲で基金が設定。


  • 回復計画において、最低責任準備金の将来予測に用いる利率の下限は、3.22%(平成14年以降(見込み))
  • 回復計画において、最低積立基準額の将来予測に用いる利率は、3.5%(厚生年金連合会の代行加算年金の予定利率)を上回らない範囲で基金が設定。
(4)回復計画における数値
  • 回復計画において、最低責任準備金の将来予測に用いる利率の下限は、3.62%(平成13年以降)。
  • 回復計画において、最低積立基準額の将来予測に用いる利率は、財政検証で用いた利率(20年国債の5年平均で、平成12年度は3.0%)を上回らない範囲で基金が設定。


  • 回復計画において、最低責任準備金の将来予測に用いる利率の下限は、3.22%(平成14年以降(見込み))
  • 回復計画において、最低積立基準額の将来予測に用いる利率は、3.5%(厚生年金連合会の代行加算年金の予定利率)を上回らない範囲で基金が設定。
U.給付設計等に関する事項
 1.上乗せ給付
  • 上乗せ部分の給付水準は、代行部分の3割を下限。



  • 上乗せ部分の給付水準は、代行部分の1割を下限。
  • これに伴い、絵付水準を代行部分の3割未満に引き下げるケースについては、代議員会の議決に基づき、

    ア.平成12年度末を基準日とする財政再計算や変更計算等の結果の適用年度を平成15年度とすることができるものとする。
    イ.なお、純資産が最低責任準備金の1.05倍を下回った基金については、7年以内に当該水準を回復するよう回復計画を作成し、平成14年度において適用するものとする。
 2.キャッシュバランスプラン

  • 現在は導入されていない。


  • 上乗せ部分について、キャッシュバランスプランの導入を可能。
 3.選択一時金
  • 選択一時金の額は、次のいずれか低い方を上限。
    ア.年金給付のうち保証期間に相当する額
    イ.年金給付の9割相当


  • 選択一時金の額は、年金給付のうち保証期間に相当する額を上限。(現行の「年金給付の9割相当」は撤廃)
 4.解散時等の一括徴収規定
  • 解散時の積立不足の一括徴収規定はなく、最低責任準備金を保有していることが解散認可の条件。


  • 解散時の積立不足の一括徴収規定が施行される。
    一括額収の対象となる額は最低積立基準額とするが、当分の間(5年間)は、「最低責任準備金以上、最低積立基準額以下で規約で定める額」とする。また、解散認可の条件は、現行通り最低責任準備金を保有していることとする。





継続基準及び非継続基準の財政検証について


1.継続基準の財政検証


将来の掛金収入と合わせて、将来の給付費を賄うために、現時点で保有しておくべき積立金の額(責任準備金)を保有しているか(積立が計画通り行われているか)どうかを検証。
→ 資産が責任準備金に比べ一定程度(許容繰越不足金)以上下回った場合には、掛金を再計算。

継続基準の図
(注)1.将来の給付費及び掛金収入は、利率を考慮して現時点の価値として評価した「現価」でみている。
   2.現価を計算する際の利率は、各基金の資産の運用収益の予測に基づき、基金ごとに設定。


2.非継続基準の財政検証


仮に基金が解散した場合にも、各加入者及び受給者が、過去の加入期間に見合った給付を受けることができるよう、現時点で保有しておくべき積立金の額(最低積立基準額)を保有しているかどうかを検証。
→ 資産が最低積立基準額を下回った場合には、回復計画を作成。

非継続基準の図
(注)将来の給付費は「現価」でみており、利率は、市場の実勢金利に基づき、全基金一律に設定。





 キャッシュバランスプランについて
(確定給付型の一種)


  • キャッシュバランスプラン
    → 確定給付型と確定拠出型双方の特長を併せ持つプラン(ハイブリッド型)で、アメリカで最も普及しているもの。

  • 具体的な仕組み
    • 資産は一括運用され、運用リスクは事業主が負担。
    • 給付額は、例えば、各期の給与の何%といった額に客観的な指標に基づく利率で付利したものを支給開始時点まで累積した総額(年金原資)。
    • 客観的な指標には国債利回り等が用いられる。

  • 特長(メリット)
    • 事業主にとっては、給付に責任をもちつつ経済環境の変化に対し柔軟な対応が可能となる。
    • 加入者にとっても、財政の安定が図られるとともに、客観的指標を通じた給付水準が確保され、過去期間分の原資も明確になる。

※1 国債利回りの実績によって、@からAの間で年金原資が定まる。
※2 従来の給付設計は、
・加入者であった問の平均給与に一定の乗率や加入者期間を乗じる方法や、
・最終給与に一定又は加入者期間に応じた率を乗じる方法、
などであり年金原資はあらかじめ定まるのが一般的。

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